2025/11/04
勤労感謝の日
1年最後の祝日は勤労感謝の日ですね。
2000年以降いくつかの祝日がハッピーマンデーに変更される祝日がいくつかあるなかで、勤労感謝の日は対象ではありません。
これにはきちんと理由があって五穀豊穣を祝う宮中行事である「新嘗祭」に由来するためです。そのため日付を移動させるのが適切ではないということです。
勤労感謝の日が祝日として制定されたのは1948年。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民を互いに感謝する日」
働くことが仕事そのものに大切な習慣として重んじ、国民同士が感謝を示しあう日として制定された祝日です。
勤労感謝の日の由来
勤労感謝の日は、もともと新嘗祭(にいなめさい)という祝祭が由来とされています。
新:新しい穀物 嘗:ごちそう を意味します。
新嘗祭とは、五穀豊穣を祝う日本古来の風習で、日本書紀にも記述が見られる我が国の伝統行事です。
元来は、収穫した農作物を皇祖や神々にお供えするという宮中行事で、現在でも11月23日になると天皇陛下が自ら新穀を神々に供え、その年に出来た農作物を召し上がるという習わしが続いています。
新嘗祭自体は全国各地に伝わる風習で、新穀が収穫される10月、11月、12月にかけて、作物への感謝を示す行事が全国各地で行われています。
戦後の占領時代におけるGHQの考えが起因しています。
GHQは宮中行事と国民行事を切り離す必要があると考えました。
戦前、11月23日は新嘗祭の日という休日でしたが、GHQはその日を勤労感謝の日に改め、宮中行事と切り離した祝日として定めたのです。
新嘗祭の日は明治6年に旧暦から新暦に移行する際に制定された祝日ですから、現在まで続く勤労感謝の日はいってみれば日本の祝日の中で最も長い伝統を持つ祝日のひとつだといえます。
五穀豊穣を祝う日が、なぜ勤労を感謝し合う日に変更されたのかについては諸説あります。
アメリカでは、11月の第4木曜日に感謝祭を催す「Thanksgiving Day」という習慣があったそうです。
第二次世界大戦以降はアメリカの文化が多く取り入れられたため、現在の勤労感謝の日は、祭祀というよりアメリカの「感謝祭」の要素を強く引き継いでいるといえます。
勤労感謝の日にちなんだ行事
勤労感謝の日の期限となった新嘗祭は、今でも11月23日に全国の神社などで行われています。
特に有名なのが伊勢神宮や明治神宮で催される新嘗祭です。
伊勢神宮の新嘗祭は、伊勢神宮で催される年中行事で最も重要だと位置付けられるほどの特別な儀式です。
その年に収穫した新穀を主祭神である天照大神に奉納します。
明治神宮でも、同様に新嘗祭が毎年開催され、伊勢神宮と同じように農作物が奉納されます。
また、野菜で作られた宝船が10基ほど奉納展示され、明治神宮で催される新嘗祭の名物のひとつです。
祭典では巫女による「代々木の舞」の奉納も行われ、やはり毎年たくさんの観光客が訪れる一大行事です。
勤労感謝の日に催される行事は、新嘗祭の他、どぶろく祭りなどがあります。
どぶろく祭りとは、新米から作ったどぶろくを奉納する祭りで、毎年10月から勤労感謝の日まで各地の神社で催される祭りです。
作られたどぶろくは神に奉納されるだけではなく、参拝者にも配られるなど、神社や町をあげての盛大なイベントとされます。
岐阜県の白川郷で催されるどぶろく祭りは有名です。
勤労感謝の日に各地では様々なイベントが行われいるので調べてみてください。
宇都宮では八幡山公園で宇都宮タワーを無料開放したりしてます。
勤労への「感謝」や仕事への「賞賛」は、日常の業務のモチベーションを醸成する要素でもあるので、その日に合わせて積極的に伝え合ってみてはいかがでしょうか。
この日に体を癒したり、自分を甘やかしたりしてもいいですね。

